今では、食品の保存に欠かせないサランラップ。
日本で販売しているのは、旭化成ですが、
「サランラップ」のネーミングは、
アメリカ人の奥さんの名前から付けられたのだそうです。
サランラップのような合成樹脂がはじめて世に出たのは、
1900年代のアメリカでのこと。
当時、合成樹脂は戦争に活用されていて、
兵士を悩ませる蚊からガードするための蚊帳(かや)や、
水虫を防ぐための靴の中敷き、
銃や弾丸を湿気から守るための包装材に使われていたのだそうです。
水虫に関しては、蒸れてかえって水虫がひどくなるような気がするのですが…。
第二次世界大戦が終わると、その需要は大幅に減ってしまいました。
この合成樹脂を作っているフィルムメーカーに勤めていたラドウィックとアイアンズという2人の技術者は、別の使用方法を考える必要に迫られていました。
ある日、2人は、それぞれの奥さんを伴ってピクニックに出かけました。
ラドウィックの奥さんは、たまたま夫の会社のフィルムでレタスを包んで持って行ったところ、
お昼に、そのフィルムで包んだレタスがまだみずみずしく鮮度を保っていました。
その様子を見た、ラドウィックとアイアンズは、「これは食品保存に使える」と確信し、
早速開発に乗り出して、サランラップ1号を完成させたのです。
試験的にサランラップを販売してみたところ、たいへんな人気を呼んだのだそうです。
ラドウィックとアイアンズは、奥さんたちのアイディアに敬意を払い、「サラとアンのラップ」ということで、「サランラップ」という商品名にしたのだそうです。
日本では、旭化成工業とダウ・ケミカルの合弁会社だった旭ダウによって、1960年に発売開始されています。
ちなみに、日本初のラップ、クレラップは、サランラップよりほんの数カ月早い、、1960年7月に発売されています。