竜巻は、空気の猛烈な渦巻きが地面から上空まで紐のようにつながったものです。
風速は25メートル/秒程度の比較的弱いものから、95メートル/秒を超える破壊的な強さのものまであります。
竜巻の直径は150メートルほどで、これにまともにぶつかったら大変です。
建物が壊れたり木が倒れたり自動車や人が吹き飛んだりしてしまします。
昔は、「竜巻」は、海上に生じるもので、地上のものは「つむじ風」と呼んでいましたが、現在はどちらも竜巻と呼んでいます。
竜巻は台風の渦と同じで、北半球では反時計回り、南半球では時計回りです。
これは、「コリオリの力」という、地球の自転に由来する力が、渦巻きに向かって流れ込む風に働くためです。
風が地面の上を真っすぐ進むと、地面は地球の自転とともなって動くため、風の進路が曲がるように見えるのです。
風の進路は北半球では右へ、南半球では左へ曲がります。
こうして物体の進路が曲がることを「コリオリの力が働いて曲がる」という言い方をします。
竜巻といえばアメリカが本場ですね。
主に南部・中部で年間平均1300件の竜巻が発生しているそうです。
ちなみに、日本では、年間年間平均25件です。
アメリカ南東部の平野は、メキシコ湾から流れ込む空気とカナダから来る空気がぶるかるところで、竜巻の発生条件がそろっているのです。
『オズの魔法使い』では、少女ドロシーと愛犬トトは竜巻に巻き上げられてカンザスからオズの国に到着します。
カンザスは竜巻が名物だといわれるぐらい竜巻多い場所なのです。
竜巻は、メキシコ湾から吹くような暖かい湿った空気と、カナダから来るような冷たい乾いた空気が重なると、大気の状態が不安定になり、何かのきっかけでおおきなエネルギーが放出されることになります。
上昇しようとする暖かい空気と下降しようとする冷たい空気がまざって渦を巻くのです。
この渦の中心軸は最初は地面に並行ですが、これが垂直に立ち上がることによって、竜巻に成長するのです。
竜巻による被害状況から竜巻の風速を推定するための「藤田スケール」という指標があります。
1971年、当時アメリカ・シカゴ大学の起床研究者だった藤田哲也(1920~1998)たちが作成した指標です。
それを気象庁が日本の被害状況に会うように改良したのが、「日本版改良藤田スケール」です。
日本版改良藤田スケール
(Japanese Enhanced Fujita scale)
JEF0 風速25~38メートル/秒。 枝が折れる。
自動販売機や物置が横転。
飛散物で窓ガラスが割れる。
JEF1 風速39~52メートル/秒。 樹木が倒れる。
軽自動車が横転。
走行中の列車が転覆。
道路交通標識が傾く。
JEF2 風速53~66メートル/秒。 木造住宅の壁がゆがんだりひび割れたりする。
大型自動車が横転。
電柱が倒れる。
ブロック塀が倒壊。
墓石がずれる。
JEF3 風速67~80メートル/秒。 木造住宅が倒壊。
鉄筋コンクリート住宅のベランダの手すりが変形。
アスファルトが剥離・飛散。
JEF4 風速81~94メートル/秒。 工場や倉庫の屋根ふき材が剥離したり、脱落。
JEF5 風速95メートル/秒~。 鉄骨系プレハブ住宅が倒壊。
鉄筋コンクリート住宅のベランダの手すりが変形したり、脱落。
現在のところ、日本では、JEF4以上の竜巻は観測されたことはないそうです。