ムササビは、春は枯木の洞(ほら)で眠りほうけ、暗くなると木の実を食べに出かけます。
ムササビは、そう夜行動物なのです。
ムササビの体は、ネズミを細くしたような本体に、短めの前脚と長めの後ろ脚、りすのようなふさふさの尻尾です。
しかし、リスと決定的に違うところは、前脚と後ろ脚が皮膚でつながっていることです。
この皮膚は膜のようでもあり、飛んで移動するときに大いに役立っているのです。
ムササビは、木の幹を登ったり、枝の上を走ったりしているときは、ちょこまかと後ろ脚を動かしていますが、木から木へ飛び移るときはこの皮膚の膜を利用して、四角い凧になるのです。
ムササビは、空気抵抗を生かして滑空するのです。
まず、枝の先端まで助走し、空中に身をひるがえした瞬間、4本の脚を思いっきり広げます。
すると膜状の皮膚がピンと張って、空気にうまく乗ることができるのです。
凧やハングライダーと同じ原理なんですね。
滑空距離は、20メートルぐらいは楽々飛んでしまいます。
時には30メートル飛ぶこともあるそうです。
目的の枝に着いた瞬間には、膜をさっさとたたみ、後ろ脚で立って停止します。
しかし、止まる間もなく再びちょこまかと後ろ脚を動かして走り出すのです。