竹は「木」でも「草」でもありません。
竹は「竹」なのです。
茎の部分がいったん地上に出てしまうと、樹木のように年々太くなっていきません。
稲やススキと同じですね。
タケノコは、アジアのどこの国でも食用にしています。
竹の節から取れる無水珪酸(むすいけいさん)は漢方薬として利用されています。
幹はそのままで、筒や花瓶として利用したり、割って加工して籠、敷物、竹細工などいろいろ利用できます。
竹の伸びる速度はとても早く、1日で50センチも伸びたという記録もあります。
竹は、普通の植物と違って、春に古い葉が黄ばんでハラハラ落ち、秋にほかの植物が紅葉する頃、つやつやとした緑色の葉を輝かせます。
そのちぐはぐさから、それぞれ、「竹の秋」、「竹の春」という俳句の季語になっています。
竹はアジアを中心に分布しており、その種類は1200以上あります。
ゴマ竹、チンチク、クロチク、キッコウチク、真竹、ススタケ、孟宗竹など、1200種類以上のうち、約600種類が日本に生えています。
竹は、竹取物語などとして昔から日本人と深い関係がありました。
尺八のような竹を使った楽器や、竹製の茶道の道具など日本人の生活とは切っても切れない存在です。
竹といえば、タケノコですが、タケノコが食べることができるのは、姫竹(ひめたけ)、孟宗竹(もうそうちく)、淡竹(はちく)の3種類だけ。
なかでも、日本人がよく食べているのは孟宗竹です。
その歯ごたえと甘味から、江戸時代に伝わり一気に全国へと広がったのです。
竹と笹の違いとは?
高いのが竹で、低いのが笹です。
竹林を作るのが竹で、草原を作るのが笹。
竹は、溜まり水でなく”動いている水”を好むので、川岸に生育することが多く、笹は亜高山帯(あこうさんたい)にも生育し、放牧地の牧草になるときもあります。
しかし、笹の中にも背が高く川沿いに大きな藪をつくる種類もあるので、見分けるのはやっかいなものもあります。
竹と笹には、開花や結実の違いがあります。
笹が開花して実をつけるのは数十年に1度です。
竹が開花するおは100年に1度ぐらいで、実はめったいつけません。
100年以上も見ているわけにはいきませんね。
一番手っ取り早いのは、
皮が早く落ちてしまうのが「竹」、いつまでもくっついているのが「笹」なのです。