先日、連絡をしないで親戚の家を訪問したら、今、そちらのお宅へご挨拶に出かけていますよ。と言われてしまいました。
親戚のお宅は留守番の方がいらしたのですが、我が家は家族総出なので、留守番はいません。
訪問したお宅に、めったに会えない親戚が来ていたので、一緒に我が家に向かったのだそう。
挨拶もそこそこに自宅へ戻ることになりました。
こんなことがあるので、どんなに親しい間柄でも、なんの連絡もなしの突然の訪問は失礼です。
「近くまで来たら寄ってください。」とはよく言われますが、ほとんどが社交辞令です。
「近くまで来たので…」などと不意にこられたら、いくら親しい相手でも迷惑です。
用件があってあらたまった訪問の場合は、一週間ぐらい前、ちょっとした用件の場合でも、前日までには電話で相手の都合を尋ねるようにしましょう。
また、訪問の連絡をする際に、「30分ぐらいで失礼します。」とか「1時間ほどおじゃましたいのですが。」などというように、訪問にかかるだいたいの時間を伝えておくと、お互いに時間の都合をつけることができます。
訪問にふさわしい時間は、一般的には、
午前中なら10時以降、11時ごろまで。
午後なら2時から4時ごろまで。
先方の食事時間や夕食時の5時以降は避けるようにしましょう。
呼び鈴やチャイムを鳴らす前に
訪問の際のコートの脱ぎ着は、日本と欧米では違うようです。
欧米では、コートを着たままチャイムを鳴らし、部屋に招き入れられてからコートを脱ぐのがマナーとされています。
しかし、日本の場合は、玄関前でコートを脱いでからチャイムを押すのが正式なマナーとされてきました。
マナーの本によっては、門を入る前にコートを脱ぐことが正式としているものもあります。
しかし、最近では、欧米流が一般的になってきて、コートは玄関に入ってから脱いでもかまわないとされています。
しかし、訪問するお宅が、上司や年配の方のお宅だったり、就職、仲人のお願いで訪問するようなときは、玄関前であらかじめ脱いでおくほうが無難です。
冬の場合ですが、コートを着込んだうえに、マフラーや手袋をしている場合は、前もってはずしておきましょう。
また、訪問したお宅を辞去する際は、コートは玄関の外へ出てから着るのが礼儀です。
しかし、訪問したお宅の方から「どうぞコートを」といわれたときには、「では失礼してコートを着させていただきます」の一言を付け加えて、コートを着させていただきましょう。
訪問した時の靴の揃え方は?
玄関に入ってドアを閉めたら、かるくご挨拶をしましょう。
「ご無沙汰しております」や「おじゃまいたします。」などですね。
ドアを閉めながら挨拶をするのは落ち着きがないように見えるので、きちんとドアを閉めてから挨拶をしましょう。
「どうぞお上がりください」と言われてから「失礼します」と靴を脱いで上がります。
このとき、相手にお尻を向けてはいけません。
コートや荷物がある時は、まず玄関の上がりかまちの端に置きます。
そして、靴を脱いで上がったら、相手のほうに背中がむかないように体を斜めにして、膝をつき靴の向きを変えてそろえ、じゃまにならないように玄関の端に寄せておきます。
夫婦など複数での訪問の場合は、先に上がった人の靴をあとの人がそろえてから上がるようにするとスムーズです。
後ろ向きのまま、足で靴を揃えながら上がるのは、相手にお尻を向けるようになるので、絶対に避けましょう。
玄関の「玄」という感じには「幽玄」という言葉があるとおり、「奥が深くてわかりにくい」という意味があります。
「玄関」とは、「奥深い所の入口」なのです。
禅寺では、「長老の居所への入口」という意味もあるそうです。
他人の家の玄関に立つと、ちょっとあらたまった気持ちになりますね。
訪問先への失礼にならないように注意しましょう。