雷は空から落ちてくると思っている人がほとんどだと思いますが、そうとは限らないのです。
時には、上下左右、縦横無尽に雷が駆け巡ることがあります。
雷雲は積乱雲の中で生まれるので、最初は空から落ちてきます。
しかし、雷には雲から雲へ飛んだり、地を這ったり、地面から再び雲をめがけて昇っていくという性質もあるのです。
例えば、何もない広い地面に落雷した場合、直撃をまぬがれたからといって安心はできません。
地を這ってきた雷電が人を媒介にして雲に駆け上げるということもあるのだそうです。
特に山での落雷には注意が必要です。
岩陰や木の下は避け、湿った地面からも逃げた方がいいそうです。
山登りをしている人に聞くと、山での雷は、真横からきたりするのだそうです。
雷には、どうして音のするものとしないものがあるの?
稲妻が通ると、その周りの吸気は一瞬のうちに熱せられ、爆発といったほうがいいくらいに体積が増えます。
このとき、ドーンというすさまじい音がするのです。
この爆発音は、1000メートルにも及ぶいなずまの道筋全体で起ります。
この音が空中を伝わる時に、屈折したり山や高い建物に複雑に発射したりするので、遠くで聞く雷の音はゴロゴロという音に聞こえるのです。
また、夏の夕方、や冬など稲妻が見えていても音が聞こえない雷があります。
これは、高温の空気の層の上に低温の空気が乗っているためです。
音が低温層から高温層に入るときに低温層側に屈折するので、上の方にいってしまって地上に届かないのです。
雷の多い年は豊作というのはホント?
昔から「雷の多い年は豊作」といわれています。
植物の体も、動物と同じようにタンパク質でつくられています。
動物と違うところは、たんぱく質を自分で作り出しているところです。
植物がたんぱく質をつくり出すためには窒素が必要ですが、空気中の窒素をそのまま取り入れることはできません。
植物が取り入れやすい化合物の形にならないとダメなのです。
雷は雲の中にたまった電気の放電現象ですが、この放電のエネルギーで、空気中の酸素と結びついて一酸化炭素になります。
このとき、酸素と水が多いと硝酸が作り出されます。
硝酸は、水に溶けて土にしみ込み、根から吸収されてたんぱく質の原料にになります。
雷が多いと硝酸がたくさんできて、植物に栄養が十分に補給されるので、雷が多い年は豊作になるのだそうです。