動物の世界は、弱肉強食です。
食べる側、食べられる側、お互いに生き延びていくために、それぞれが必死で知恵を絞り、敵を欺こうとしています。
シマウマの白と黒の派手な模様はとても目立ちますね。
ライオンやチーターなどの飢えた肉食獣から身を守るためには、見つからないことが第一なのに、これでは、わざわざここにいるよと言っているようなものです。
と思うのは人間だけで、実はあのシマシマは非常に優れた保護色なのです。
かれらが棲息しているアフリカのサバンナ地帯は、広くなだらかな丘陵の随所に、灌木(かんぼく:背の低い木)の茂みや背丈の高い草むらがあります。
そして、強烈な太陽が照りつけています。
ギラギラと照りつける日差しは、風景から色彩を奪ってしまうかのようなのです。
そのような環境では、遠くから見たシマウマのストライプ模様は、群れをなせばなすほど、くさむらや灌木林のように見えるのです。
すっかり風景と同化してしまい、シマウマがどこにいるのか全く見分けられないこともあるそうです。
これは、最初は遠くから獲物を物色するという肉食獣の習性を利用して、見事に、欺いているのです。