イスラム教徒は世界に約10億人いらっしゃるそうです。
イスラム教は、ユダヤ教、キリスト教の流れをくんだ兄弟宗教です。
イスラム教徒のことを「ムスリム」と言い、聖典「コーラン」は、アラブ人「ムハンマド」を通して伝えられた神の声を記した書だと信じられています。
イスラム教徒ムスリムの義務である「六信五行」のうち、六信は信じなければならない6つのこと、五行は行わなければならない5つのことです。
六信は、「ムスリムは、神・天使・コーラン・預言者・来世・天命を信じなければならない」というもの。
五行は、「『アラーのほかに神なし。ムハンマドはその使徒なり』と声を出して唱えること・1日5回の礼拝・断食・喜捨(きしゃ)・巡礼」の5つです。
礼拝はサウジアラビアのメッカの方角に向かって行います。
断食は1年間のうちに1カ月間ありますが、実は、日の出から日没までの間だけで、その他の時間に食事を摂ることができるのです。
喜捨とは、豊かな者が貧しいものに寄付、ほどこしをすることです。
イスラム教は、戒律でアルコール・麻薬の禁止、豚肉を食べてはいけないことなどが決められ、血・豚肉は不浄のものとされています。
これは、イスラム教のもとになったユダヤ教から引き継いだ決まりなのです。
この由来は、諸説あるのですが、豚肉は寄生虫がよくいて、それを食べて命を落とす者が多く出たので、禁じたのではないかと言われています。
イギリスの植民地時代に、インドで起った「セポイの反乱」は、1857年から1859年まで続いたイギリスとインドの戦争ですが、原因は豚にあると言われています。
セポイとは、イギリスの国営的企業だった東インド会社が雇っていたインド人の傭兵(ようへい)のことです。
新しいライフル銃を導入するとき、薬包(一発分の火薬と弾丸をセットで紙包で包んだもの)の紙包に防湿のために豚の脂が使われているという噂が流れ、それが反乱の火種となったのだそうです。
ライフル銃を撃つには、薬包を口でちぎらなければなりません。
セポイの多くはイスラム教徒で、たとえ微量であっても豚の脂を口にすることはタブーだったのです。
そこから反乱に拡大していったのだそうです。