よく飲食店や小料理屋などで、招き猫の置物を見かけますね。
招き猫は、金運やお客を呼び込むと考えられ、商売繁盛の置物とされているんですね。
どうして、招き猫は、商売繁盛の置物なのでしょうか?
この招き猫の由来については、いろいろな説があるのです。
ある日、彦根藩主の井伊直孝が鷹狩の帰りに、豪徳寺(東京都世田谷区)の門前まで来たときのこと。
一匹の白猫が現れ、右手を上げて、しきりに寺内に入るように招くので、直孝は誘われるように境内に馬を乗り入れた直後に、激しい雷鳴とともに門前に落雷がありました。
危うく災難を逃れることができた直孝は、その後、荒れ果てていたこの寺に莫大な寄進をし、さらに井伊家代々の菩提寺にしたといいます。
このとき右手を上げて直孝を寺に招き入れた猫のお墓が、現在もこの豪徳寺の墓地の一角に猫観音として供養されているのだそうです。
また現在も、幸運を呼び込む招き猫伝説の元祖として、門前ではいろいろな張り子の猫が売られています。
また、浅草で駄菓子屋を営んでいた老婆が、あまりに流行らないので店を閉めようかと考えていたある夜のこと。
年老いた猫が夢に現れて、「こうした格好の置物を作ったら、きっと店は繁盛する」と告げ、右手を上げて人を招くようなしぐさをしたので、夢とは思いながらも「招き猫」を作らせて店に置いたところ、飛ぶように売れて大儲けをしたという伝説もあります。
そこから、商売繁盛の縁起物になったというのです。
化け猫伝説もあるぐらい、猫は昔から、不思議な魔力を持つ動物と考えれれていました。
また、中国の唐から猫が渡来した際、「猫面を洗って耳を過ぎれば即ち客至る」との言葉も一緒に伝来したそうです。
猫が渡来した時から招き猫は、お客さんを呼ぶ動物だったのかもしれません。
ちなみに、一般的には、右手を上げている猫は金運を、左手を上げている猫はお客を呼び込むといわれています。