へその緒とは
病院や産院で無事出産をすませると、母親の胎盤と大事のへそをつないでいた、へその緒(臍帯)を、桐の箱などに入れて母親に渡します。
へその緒は懐妊中は母親から胎児に贈られる栄養補給路、生命維持パイプとして、親子の絆いえるものです。
かつては、母親が退院して自宅へ戻ると、へその緒を乾燥させて、産毛とともに神に包んで桐の箱に入れ、その箱の表に子供の氏名・生年月日・両親名を書いて神棚に供えました。
子どもが成人するまで守り神として大切に保存し、子どもが大人になってからは、男なら戦争に行くとき、女性ならお嫁にいくときなど本人に手渡していたそうです。
へその緒は、子どもが大病をしたときに煎じて飲ませると、一命を取りとめると考えられていたそうです。
最近では、臍帯から薬が作られるそうですね。
お七夜とは
かつては赤ちゃんの出生七日目にになると、夫婦のほかに両家の両親などが集まって、内輪で「お七夜(しちや)」というお祝いをしました。
平安時代の貴族社会では、子どもが生まれた日を初夜、三日目を三夜、五日目を五夜、七日目を七夜、九日目を九夜といって、奇数日に出産を祝う「産立(うぶだち)の祝い」の行事を催していたそうです。
江戸時代になると七夜だけが行事として残り、この日を名づけ披露としてお七夜と呼ぶようになったのです。
とくに徳川家では、お七夜に命名の儀として、諸大名から祝いの品を受けるなどの公式行事としたため、その行事が庶民の間にも広まっていったのだそうです。
命名当日は、奉書紙などの中央に墨で「命名 〇〇〇」と決まった名前を書き、左側に誕生年月日を書き入れて、神棚の下や床の間の柱などに貼り下げるのが通例です。
現在でも、このような紙を貼っている家が多いですよね。
お宮参りとは
生れた子どもを初めて家の外に連れ出し、近くの神社などにお参りする儀式を「宮参り」、または「初宮参り」といいます。
昔は、自分の氏神様を祀っている神社へ連れて行って、新しい氏子(うじこ)として認めてもらう習わしでした。
このため、「宮参り」を「氏子入り」とか「見参(げんぞ)参り」ともいいます。
生れた子どもを、その土地を守る氏神様に認めてもらって、地域社会の一員になるための儀式だったのです。
もともとは、平安時代に、貴族の間で「歩行(ありき)初(ぞ)め」という習わしがあって、生後二十日から五十日ごろの子どもを連れて、吉凶の吉の方角(恵方)に住む知人宅を訪ねたのが始まりといわれています。
室町時代になると、後の将軍の足利義満が生まれた時に、幕府の威光を示すために大がかりな宮参りが行われたのがきっかけで、お宮参りが一般にも広まったといわれています。
現在のお宮参りは、男子が生後三十二日目、女子が生後三十三日目に行うところが多く、地域によっては早いところで七日目(お七夜)に行い、遅いところでは百日目に行うなど、全国でもお宮参りをする日はまちまちなのです。