介護保険

2015年に改正された介護保険9つのポイント

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急激な少子高齢化により、介護や医療にかかる費用が増大してきました。
それでも、今まで通り安心して住み慣れた地域で暮らし続けるために、費用や負担を公平に分担しながら、老後の暮らしを支えるしくみを確立するため、2015年に介護保険が改正されました。

病院や施設入所ではなく、お年寄りが自宅で暮らしながら介護を支えるサービスが、より重要視されるようになりました。

お金についての4つの改正ポイント

ポイント1

一定以上の所得がある人の介護保険利用料が、1割負担から2割負担に!

年金収入とその他の所得金額の合計が、一人暮らしで280万円、夫婦で346万円を超える所得のある人は、介護保険の利用料がこれまでの1割負担から2割負担に増えました。

2015年8月から、65歳以上(第1号被保険者)で、一定以上の所得がある人は、介護保険の利用負担が1割から2割に引き上げられました。

対象となる一定以上の所得のある人とは、

単身の場合、年金収入とそのほかの合計所得金額の合計が280万円以上、

2人以上の世帯では346万円以上の人です。

ただし、所得が一定以上かどうかは、世帯単位ではなく個人に対して適用されます。

つまり、65歳以上の夫婦2人暮らしでも、介護サービスを受ける人個人の合計所得が基準額未満であれば、その人の利用者負担は1割のままです。

また、高額介護サービス費によって、利用者負担には上限が決まっているので、2割負担の対象となるすべての人の支払う金額が、必ず2倍になるわけではありません。

ポイント2

65歳以上の人が支払う介護保険料が見直しされました!

65歳以上の人が支払う介護保険料の基準額が見直され、所得の低い人の負担が軽減されました。一方で、所得の多い人の負担は増えました。

65歳以上の人が支払う介護保険料(第1号保険料)は、市区町村ごとに基準額を決めた上で、本人の所得に応じた負担段階によって支払う料金が増減します。

この負担段階は、2014年までは標準6段階でしたが、多くの市区町村では、すでにより負担段階が多く形になっていました。

こうした実情を反映させるため、2015年度から標準9段階となりました。

これにより、最も負担段階の低い人の場合、従来は基準額の5割負担だったものが3割負担となり、負担がより軽くなりました。

一方で、最も負担段階の高い人の場合、2014年までは基準額の1.5倍だったものが、2015年からは1.7倍の負担になります。

このように2015年の改正では、急激に少子高齢化が進む2025年までを見越して、将来も介護保険制度が継続できるように、介護保険料について所得の低い人の負担を減らし、所得の高い人の負担を増やすことで、より公平な費用負担を目指しているのです。

ポイント3

現役世代並みの収入がある人は、高額介護サービス費の限度額が上がりました!

介護保険利用料の負担が一定以上になった場合、上限を超えた分を払い戻してくれる高額介護サービス費の負担上限が一部引き上げられ、負担が増えました。

高額介護サービス費により、介護保険の利用料金負担が一定以上になった場合、定められた上限を超えた分は払い戻されます。

この制度は介護保険制度が始まった2000年当時の医療保険制度にあった高額療養費にあわせて設定されていたものです。

高額介護サービス費については、介護は要介護状態が長く続くことが多いことから、2015年の制度改正でも引き続き据え置くことになりました。

しかし、2015年の制度改正で介護保険利用料が2割負担となる一定上の所得がある人のうち、さらに医療保険の現役世代並みの所得がある人については、介護保険制度を支えるため、より多く負担してもらおうということから高額介護サービス費の自己負担限度額が4万4,400円となり、これまでよりも負担が大きくなりました。

ポイント4

施設サービス等での、低所得者への負担軽減対策が厳しくなりました!

施設の居住費や食費などについて、低所得で支払えない人のために費用を補うのが「補足給付」です。2015年の改正では、その対象となる条件が厳しくされました。
施設の居住費や食費などについて、低所得で支払えない人のために費用を補うのが「補足給付」です。2015年の改正では、その対象となる条件が厳しくされました。

特別養護老人ホームや老人保健施設、介護療養型医療施設など、施設サービスの居住費や食費、短期入所生活介護(ショートステイ)の滞在費と食費は、利用者の自己負担となっています。

これについて費用の一部を補う制度が、補足給付(特定入所者介護(予防)サービス費)です。

これまで利用者の年間所得金額に応じて、限度額を4段階に定め、個室代金や食費の補助を行ってきました。

2015年8月から年収を基準とした所得要件に加え、預金や有価証券などの資産要件も加えられるようになります。

また配偶者がいる場合、住民票上の世帯を別々にしている(世帯分離)場合でも、配偶者の所得分も勘案することとなります。

さらに、これまで所得金額に含まれなかった、遺族年金や障害年金も、所得金額に含まれるようになり、基準が厳格化されたのです。

介護保険のしくみの改正の5つのポイント

ポイント1

要支援の人向けのサービスが大きく変わりました!

これまで要支援1・2の人が利用していた訪問介護と通所介護が、介護保険サービスから外され、各市町村が行う事業(地域支援事業)に移行されました。

ポイント2

特別養護老人ホームの新規入居が、原則要介護3以上に制限されました!

これまで、要介護1~5の人が利用することができた特別養護老人ホームが、原則として要介護3以上の人に制限されました。

ポイント3

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で介護サービスが利用しやすくなりました!

従来、一部のサ高住入居者が利用できなかった地域密着型サービスや地域支援事業について、制限が緩和されサービスが利用できるようになりました。

ポイント4

小規模なデイサービスは地域密着型サービスへ行こうした!

定員18名以下の規模の小さな通所介護(デイサービス)は、制度上、これまでの居宅サービスから市町村が指定・監督する地域密着型サービスとなりました。

ポイント5

「お泊りデイサービス」が全国基準の届出制になりました!

通所介護(デイサービス)の施設を利用して、介護保険制度外のサービスとして宿泊できる、いわゆる「お泊りデイサービス」が、全国基準の届出制になりました。

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