「神主」というのは通称で、正式には神職といいます。
神社は神が宿る、降臨すると考えられてきた土地や山、木々などの大自然そのものです。
そこに社を作って、神の地と定め、祭祀を取り仕切ってきた人々が神職です。
神と人との仲執持(なかとりもち)ともいわれます。
古代の昔は、ご託宣の儀の執行者でした。
神職は祈りによって神を呼び出しますが、依代となるのは巫女です。
御神酒や踊り、詠唱などによってトリップすることで、神と一体化した巫女は、お告げの言葉を話します。
神職はこれを聞きとり、天皇の伝えたのです。
そして、天皇が、神の意志に則って政を行いました。
古代、祭祀と政治が一体化していたので、神職はまさに道行きを示す人でした。
7世紀頃から律令制度に基づいた法治国家としてのシステムが整えられていく中で、神職は神社とを通じた地域住民の取りまとめ役、管理者としての性格が強くなっていきました。
神職は、早朝、精進潔斎して身を清めることで一日が始まります。
開門して拝殿も開き、早朝の参拝客を迎えつつ、神前にお供えをしていきます。
お供え物は米や魚、野菜などです。
お供えする時は、祝詞の奏上も行います。
その後は、氏子たちや、遠方から来た参拝客のために祈祷を行います。
そして、天照大御神が象徴する太陽が沈む時刻あたりで閉門となり、祝詞を奏じて一日が終わります。
年末年始は寝る間もないそうです。
神社自体は年中無休ですが、神職は交替で大体週に1度は休みをとるそうです。
神職といえば、白衣という白い和服の上に、狩衣と袴をまとり、黒い烏帽子をかぶっている姿ですね。
このスタイルは、平安時代の貴族の服装に由来しているのだそうです。
狩衣は、もともと狩りの時の服装だったのですが、いつしか貴族のファッションとして定着していったのだそうです。
狩衣は、平服で、例大祭や新嘗祭などの大事な儀式のときは、狩衣のかわりに袍(ほう)を着て、烏帽子ではなく、冠をかぶっるとう正装をします。
笏(しゃく)という木製の細長い板を手にしていますね。
これは、貴族たちが、朝廷での仕事の際にメモ書きなどに使っていたといわれています。
いわゆるカンニングペーパーですね。