現在、お「中元」というと、日ごろお世話になっている人に対して、夏の挨拶をかねて品物を送ることをいいます。
しかし、もともとは7月15日のことを「中元」といいました。
中国の道教の暦法では、三元の一つを「中元」といい、
ほかに1月1月1月15日の「上元」、
10月15日の「下元」がありました。
やがて、道教と仏教の共通の祭日となってからは、三元節」と呼ぶようになり、
7月15日の中元には盂蘭盆会(うらぼんえ)の仏事が、寺院などで盛大に行なわれるようになりました。
仏教が日本に伝わると、7月15日の中元の盂蘭盆会がお盆の行事となり、その際に子どもから親に魚などを送るようになりました。
しかし、このころまでの贈答は家族間に限られていました。
お中元が現在のように仕事関係やお世話になった人に広く贈られるようになったのは、明治30年代のことです。
百貨店などが売り上げの落ちる夏の時期に大売り出しを行ってから、お中元の贈答習慣が毎年、夏に定着したといわれています。
現在は、7月上旬から8月15日ごろの時期に、お中元を贈るのが一般的ですが、7月15日を過ぎた場合には、表書きを「お中元」と書かずに「暑中見舞い」とします。
8月8日の立秋過ぎの場合は、「残暑見舞い」と書くのが無難です。