社会福祉士国家試験問題

社会福祉士国家試験平成29年第2問

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問題2 加齢に伴う生理機能の変化に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 体重に占める水分の割合は増加する。
2 収縮期血圧と拡張期血圧の差は縮小する。
3 聴力は高周波音域から低下する。
4 肺活量は維持される
5 流動性知能は維持される

 

<回答>
×1 体重に占める水分の割合は増加する。

加齢に伴い水分を蓄えるための筋肉が減少し、体内の水分量は少なくなります。
人間の体に占める水分の割合は60%もあります。しかし、体の中の水分は加齢とともに減っていきます。

×2 収縮期血圧と拡張期血圧の差は縮小する。

加齢とともに収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は低下します。
このため、脈圧、収集期血圧と拡張期血圧の差は大きくなります。
この現象は、加齢による動脈硬化の進展に伴い太い動脈(大動脈)の弾力性が減少し、進展性が低下するためにおこります。

〇3 聴力は高周波音域から低下する。

加齢に伴い高周波音域が聞こえなくなってきます。
モスキート音は、高周波音域なので、若い人には聞こえるのに大人には聞こえないんですね。

 

×4 肺活量は維持される。

呼吸器機能は腎機能と並んで、加齢とともに減少します。
加齢により肺の弾性が低下するため、肺活量や1秒量は減少し、残気量は増加します。

1秒量とは、通常の肺活量である、深く息を吸って一気に吐き出した空気量に対し、最初の1秒間で吐き出した割合を示したものです。70%以上が正常ですが、低下している場合は、閉塞性換気障害(気管支が狭くなっているために起こる呼吸器障害)などが疑われます。
残気量とは、息を一気に吐き出した際に肺の中に残っている空気の量のことです。

×5 流動性知能は維持される

流動性知能とは、新しい場面への適応に必要な能力のことです。
流動性知能は、18~25歳くらいにピークを迎え、その後次第に衰えて、40代以降で急速に低下するとされています。

これは、心理学者キャッテルによって提唱された知能因子の2つの分類の一つで、もう一つは結晶性知能です。
結晶性知能は、経験を元にした知能で、60代頃にピークを迎えるとされています。

 

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