お客様をお迎えする「お・も・て・な・し」
「もてなし」とは、「持つ」と「成す」が合わさったものです。
上手に取り持って(対応して)、失敗しないように行動するということだそうです。
わざわざ足を運んでいただいたお客様に、できるだけ満足して帰っていただくために対応することですね。
玄関でのお迎え
来客の第一印象は玄関で決まります。
「玄関はその家の顔」ともいわれています。
その家によって「家独特の臭い」があるそうです。
以前テレビで放送していましたが、目隠しをしていろいろな玄関に連れていかれると、他人の家の玄関は、臭いがするのに対して、自分の家の玄関は、無臭に感じるそうです。
自分の家の玄関の臭いは、家族は気になりませんが、他人は敏感に感じてしまうようですので、来客がある場合は、ドアや部屋の窓を開けるなどして臭いを追い出しておきましょう。
お香やハーブの臭いで玄関の消臭の役目をさせるケースもあるようですが、お客様によって好き嫌いがありますので、あまり臭いの強いものは避けたほうが無難です。
訪問のチャイムが鳴ったら、すばやく玄関へ行ってお出迎えをしましょう。
このとき、ドタバタと音をたてて駆けつけないようにしましょう。
お客様のご案内の仕方
お客様が脱いだコートなどは、「お預かりします」と一言断ってから、あとでハンガーに掛けるようにします。
お客様が家に上がられたのに靴がそろっていない場合は、すぐには直さず、お客様が客間に入ったあとで、後でそっと直すようにします。
お客様が靴を脱いで家に上がられたら、リビングや客間へすぐにご案内します。
お客様をリビングや客間へご案内する場合は、お客様の斜め前の壁際に立って、「こちらへ」と手で示すようにしてご案合いします。
奥へ案内するときも壁際を進み、お客様には廊下の真ん中を通っていただくようにします。
洋室にお通しするときに、押し開きのドアの場合は、ノブに近い方の手でドアを押し開き、自分が先に入室し、入室したドアの脇に立って「どうぞ」とお客様を迎え入れるようにします。
手前に引いて開けるドアの場合は、ノブに近い方の手でノブを持ってドアを開き、「どうぞ」とお客様に先に入っていただき、自分はあとから入りドアを閉めます。
案内する部屋が二階の場合は、お客様より一、二段先に階段を上ります。
ことのきも、廊下のときと同じように自分は端を、お客様には真ん中を上っていただくようにします。
洋室と和室の上座ってどっち?
へやには「上座(かみざ)」と「下座(しもざ)」があります。
お客様は、「上座」へご案内します。
和室では、床の間があるところが「上座」です。
洋室では、出入り口に遠いほうが「上座」とされています。
洋室、リビングの場合は、どこに座ったらいいか迷ってしますよね。
主人側としては、そのといいのお客様の人数、構成など、初めから席の位置を考えておいて、お客様をお通ししたときに、「こちらに○○さん、この椅子には△△さん」というように、すわる位置を示してあげたほうがすっきりします。
和室の場合、床の間の位置によって「上座」と「下座」が違ってきます。
床の間が中央にある場合はもちろん、床の間を背にした場所が一番の「上座」になります。次の「上座」はお客様から見て左側、次の「上座」はその向かいになります。
このように、左・右を交互に「下座」の方へ下がっていきます。
床の間が部屋の角、その隣が違い棚というような和室もありますね。
この場合でもやはり、床の間の前が一番の「上座」で、その横隣が次の「上座」です。
以下、床の間から遠ざかる順に、お客様さまから見て、左、右と交互に「下座」になっていきます。
ちなみに、一般の家庭の座敷に床の間を設けたり、自宅に畳を敷くようになったのは、江戸時代からなのだそうです。
床の間の元の形は、室町時代の書院造りの一枚の板だったのです。
座敷の奥の上段に厚い一枚板を敷いて、香炉・花瓶・燭台を置く区切りを設け、その部屋に神仏や賓客を迎えるようになっのが、床の間の始まりの形だそうです。