仏壇は、最も古い形が法隆寺の「玉虫厨子(たまむしのずし)」で、以後、中世になって有力者が自宅に仏間を設け、仏像を安置したのがその起源といわれています。
江戸時代になると、寺院の仏壇を模した小型の厨子式の仏壇が民間にも広まっていきました。
現在主流になっている三段の仏壇の場合、宗派によって違いはあるのですが、一般的に最上段に本尊と位牌、中段に仏飯器(ぶっぱんき)、茶湯器(ちゃとうき)、高坏(たかつき)を置きます。
仏壇に手を合わせる時に最も使用する仏具類(線香立て、香炉、燭台、リン、花立て)は、一番下の段に置くか、前机とか経机と呼ばれる小さな机の上に置きます。
仏具の置き場所は、宗派によって異なりますので、自宅の宗派を確認して仏具を揃えましょう。
礼拝(らいはい)は、正式には、朝夕二度行います。
礼拝の仕方は、まず、マッチでろうそくに火をつけます。
ろそくの明かりで仏様や先祖の霊が目覚めるのだといいます。
また、ろうそくの火には周りを浄化する作用があると考えられているそうです。
マッチの火は口で吹いて消したり、香炉にさして消すのは厳禁です。
以前、50歳過ぎの職場の先輩が仏壇のろうそくを口で吹いて消したのを見て驚いたことがあります。その先輩は、お嬢様育ちだったみたいですが…。
マッチを消すための仏具(マッチ消し)がありますので、用意しておきましょう。
次に、ろうそくの火で線香をつけ、香炉に立てます。
浄土宗や浄土真宗などでは、線香を寝かせるそうです。
お墓の場合、線香を寝かせる場合が多いですけどね。
線香を仏様にあげることじたいが、焼香と同じで、仏様を拝むということになるのだそうです。
線香の数は、一般的に一本か三本をあげます。
線香の煙は、”仏様を煙りにのせてお連れする”といわれ、線香の香りには仏様の”霊威”(不思議な力)が宿っていると古くから信じられてきたのだそうです。
線香をあげたら、次にリンを鳴らします。
リンを鳴らす場合は、リンの外側ではなく、内側を静かに2回打ちます。
そして、合掌してお経を唱えます。
合掌おいあと、再びリンを2回打って、深く礼をしたあと、ろうそくの火を手であおいで消してから、軽く礼をして、お参りを終わります。
合掌をするときは、指先をそろえ、手首は胸のみぞおちの前の高さに置き、前方に突き出したりしないように気をつけましょう。