陸上に棲む最大の哺乳動物はゾウです。
海洋哺乳動物で最大なのは、何と言ってもシロナガスクジラですね。
文部省統計数理研究所(当時)の長谷川政美教授は、遺伝子の本体であるDNA(デオキシリボ核酸)のデータを統計的に調べなおしたところ、クジラの先祖はラクダたったという説を発見したのだそうです。
クジラはラクダの祖先から生まれたもので、遺伝的にはウシやウマよりも、ラクダの方に近いとのことです。
どうやって調べたかというと、まず、進化の過程を探るのに適している、母親からしか伝わらないミトコンドリアのDNAを生物ごとに分類します。
そして、クジラ、ヒト、マウス、ウシなどのDNAの基本単位である塩素の配列をもとに、最尤法(さいゆうほう)という統計学的手法を用いて、どのように分岐し進化したかを表す系統樹(けいとうじゅ)を作るのだそうです。
その結果、ラクダ、ウシといった偶蹄類(ぐうているい)と、ウマなどの奇蹄類(きているい)が約6500万年前に枝分かれした後、クジラの先祖が偶蹄類から分岐したことがわかったそうです。
さらに、クジラは偶蹄類の中でも、ラクダの先祖から分かれた可能性が高いとのことです。
その後の研究で、クジラはラクダよりも、カバにちかいという考え方も示されているようです。
さて、クジラが広い海で結婚相手をどうやって見つけているのでしょうか?
広い海の中で、クジラは結婚相手や迷子になった子どもと、どうやって連絡をとっているのでしょうか?
クジラは、超音波を出して、広い海域の様子を見て(探って)いるのです。
外部からは見えませんが、クジラは非常に精巧な耳(鼓骨呆:ここつほう)を持っており、これで互いが発する信号音をキャッチしているのです。
ある調査によると、マッコウクジラで1万メートル、群れをつくっているイルカ(クジラの仲間の小型のもの)で800メートルも遠くの出来事をキャッチできるそうです。