鏡餅は、12月28日から飾る者です。
鏡餅用に、多くの家では年末になると餅をつきました。
12月31日の大晦日につくのを一夜餅、12月29日につくのを苦餅といって、これらの日につくのを嫌いました。
12月31日の大晦日に飾るのは、「一夜飾り」と呼ばれ、一夜で慌ただしく準備する葬式飾りを連想させるから縁起が悪いといわれています。
新しい年神様に対する敬意に欠けるともされています。
また、門松を12月29日に立てるのも「苦待つ」と言われるので避けましょう。
昔の鏡が円形だったので、鏡餅をいわれるようになり、人の魂(心臓)を模したことから丸餅になったといわれています。
また、大小二つ重ねるのは、月(陰)と日(陽)を表わしていて、福徳が重なって縁起がいいと考えられたからだそうです。
鏡餅は一般的には、重ねた餅の上に楪(ゆずりは)を敷き、その上に橙(だいだい)を載せます。
地方によっては昆布を敷くところもあります。
昆布は喜ぶ、楪は譲る、橙は、代々を表しています。
つまり、「喜びを代々譲っていく」という願いが込められているのです。
正月中は1月11日の鏡開きまで、家の床の間などに大きな鏡餅を飾り、各部屋に小さな鏡餅を飾るのが一般的です。
ちなみに、元旦というのは「元日の朝のこと」です。
したがって、元旦の夕方というのはないのです。
元旦の「旦」という字は、象形文字で、下の「一」が地平線を表し、上の「日」が太陽を表しているのです。
つまり、地平線から太陽が昇っていく情景を表現しているのです。