英語には、「いただきます」に当てはまる言葉がありません。
キリスト教徒やユダヤ教徒、イスラム教徒の皆さんは、ご飯を食べる前に、神様に感謝の気持ちを伝える短いお祈りをします。
しかし、日本人の「いただきます」」には、動物や植物の命を「いただきます」という感謝の意味や、料理を作ってくださった方に対して「いただきます」という感謝の気持ちが込められているのです。
実は、日本の「いただきます」も昔からの伝統というわけではありません。
1920年ごろには、「いただきます」という言葉はまだほとんど使われていなかったという資料が残っているそうです。
その後、しつけや教育によって「いただきます」とう言葉が広がったらしいのです。
戦前・戦中の道徳教本に、食事を無事にいただけるのは天地、太陽、慈雨、百姓、母親、女中等々の恩であり、それに感謝して「いただきます」「ごちそうさま」を言うように説いていたそうです。