競走馬の代表であるサラブレッドは、元はイギリスの原生馬のメスと東洋馬のオスをかけ合わせたもので、強い馬同士をかけ合わせることによって改良が重ねられ、血糖が守られてきました。
純粋に走り勝つためだけに、人間が作り出した馬です。
しかし、細い足で全力を出して走るので、転倒してしまうと骨折しやすいのです。
競走馬の骨折はほとんどが全治数週間、数カ月という重傷で、治療不可能と判断されて殺される運命なのです。
骨折した足を治すためには、足に体重がかからないようにしなければなりません。
そのためには、横たわらせる必要があるのですが、ウマは寝る時にも横になることのない動物なのです。
それなら、体を宙吊りにしておけばいいのですが、何週間、何カ月も宙吊りにしておくと、体の機能が停滞し、内臓に障害を起こしてしますのです。
また、宙吊りになって、身動きができない状態にされると、神経の繊細なウマは、ストレスのために死んでしまうことが多いのだそうです。
そのため、ウマ自身のたまには、安楽死が一番いいと考えられているのだそうです。
それでは、ウマはどうして立ったまま眠ることができるのでしょうか。
人間の場合は、立ったまま寝てしまうと、すぐに足の関節が折れ曲がってこけてしまいますね。
ウマの前足には、肩、肘、足首、指の四か所に関節がありますが、それぞれが交互に逆向きに作られているのです。
肩と足首の関節は前向きに、肘と指の関節は後ろ向きにという具合です。
これだと、まっすぐに伸ばせば、足は棒と同じになります。
立てた棒が、垂直の荷重に対して強いのと同じ原理です。
体重は、向きの違う隣同士の関節で相殺されるので、ほとんど関節に負担をかけずストレートに地面に伝わっていくのだそうです。
これが、骨折した場合は…。
考えただけで恐ろしいですね。