お祭りにつきもののお神輿、単純に考えると神様の乗り物である輿ですよね。
いったいお神輿にはどんな意味があるのでしょう。
奈良時代の749年、聖武天皇が進めていた東大寺建設を耳に挟んだ宇佐八幡宮の神が、
金色の鳳凰を屋根に頂いた輿にうち乗り、
助っ人に出かけたという伝説があります。
これが神輿らしき乗り物が日本の歴史にはじめて登場する出来事とされています。
ふだんは、神社の本殿に鎮座している神様が、
イザとなれば扉を開け放ち、
世間に飛び出します。
その時の乗り物が神輿なのです。
その後、平安時代に入ると、
奈良や京都の神社を中心に神輿が一般化していきました。
各神社とも趣向をこらして、
デザインを競っていったのです。
お祭りの時、
神社から神輿に乗り移った神様は、
人々に担がれながら、
地域の氏子の住む範囲を流してまわります。
祭りという機会を利用して神様が巡回し、
地域社会の安定と繁栄を願うという意味があるのです。
この時、神輿を激しく揺らすほど、
神様は喜び、より威光が増すといわれています。
一時的に神様が宿るので、
外国人には、
「プチ神社」
「ポータブル神社」
と解釈されることもあるそうです。
お神輿は、移動式の神社なので、
そのつくりも神社そっくりになっています。
お神輿は、神社と同じように鳥居によって守られているのです。
神社と異なるのは、お神輿の場合4面すべてに鳥居が立っていること。
鳥居のから中を見てみると、そこには拝殿の回廊や階段のようなスペースまできちんと作られているのです。
そして、その回廊の向こうには、神様が鎮座するお堂=本殿があります。
神社の本堂の御扉が閉ざされていて、
絶対にご神体を見ることができないのと同じで、
お神輿のお堂の扉も閉じられているのです。
そして、各所にあしらわれた紋章は、その神社のものなのです。
お神輿は、まさしく神社そのものなのです。